書評
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「直進する経済」から「迂回する経済」へ
オリンピックが終わった今でもなお東京の不動産価格は上昇しています。これだけ人口減が騒がれているのに不思議なことだと思っていましたが、定住人口が減少しても一人世帯を含めた「世帯数」は増え続けており、この先しばらくこの傾向は続くのだそうです。今回は、吉江俊著「迂回する経済の都市論」(学芸出版社)を参考に、経済合理性と公共性の共存可能性について考えます。
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サラリーマンはなぜ学ばないのかーリスキリングが日本でうまく行かない理由ー
社会人の学び直しを意味する「リスクリング」が企業社会でブームになっています。しかし周りを見渡せば、その必要性についてはなんとなく理解しているのの、一体全体何を学び、それがどう自身のキャリアに結びついていくのか明確にイメージできていない人が多いようです。今回は「リスキリングは経営課題」(小林祐児,光文社新書)をもとに、日本ではなぜ「リスキリング」が掛け声だけに終わりいがちなのか、その背景を探っていきたいと思います。
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能力不足で仕事が辛いと感じる人へ-そもそも「能力」とは何か-
人間の「能力」とは何を意味するのでしょうか。スポーツの世界でときどき天才少年が登場しますよね。たとえばサッカーの天才少年について考えてみます。天才少年が高校の全国大会で注目選手となり、実績も残して海外のチームにスカウトされたとします。今やこのような選手は日本人でもたくさんいそうです。
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模倣的同型化・連結「アナーキー経営学」(後編)高橋勅徳著
前編では、経営学に野生の感覚を取り戻すことの必要性について、サラスバシーが提唱した「エフェクチュエーション」等の概念を踏まえ、本書で述べている著者の見解を概観しました。後編では、中小企業経営においても参考となると筆者が考えた事例を、本書から2つほど紹介したいと思います。
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エフェクチュエーション「アナーキー経営学」(前編)高橋勅徳著
本書は、「企業経営者」や「ビジネスパーソン」という言葉で一般的に思い浮かべる世界に閉じられがちな経営学(=養殖された経営理論)に、著者の日常生活の経験から導き出された新たな視点を加えることによって、経営学に野生の感覚を付与しようとする試みの書といえるでしょう。
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【要約・書評】「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」三宅香帆著
本書は、子供のころから本が好きな三宅さんが社会に出て働くようになってからは本が読めなくなった経験をもとに「なぜ働いていると本が読めなくなるのか」という問いに対する三宅さん自身による応答の物語といえます。